レッジョ・エミリアは、イタリア共和国
エミリア=ロマーニャ州にある都市で、
その周辺地域を含む人口約17万人の基礎自治体。
この都市から発信した世界的幼児教育法
「レッジョエミリアアプローチ」の学びを深めるべく
現地へ行ってきました。

ここレッジョ・エミリアは、イタリア、
そして世界中で教育と文化の
革新を目指す人々のための会議と
ディスカッションの場であり、
市立保育園や保育所の経験を起点に、教育内容や
0歳から99歳までのプロセスに関する
研究、革新、実験を生み出す、
あらゆる年齢、アイデア、異文化に
開かれた空間です。

センター内には、様々なアトリエ空間が
演出されています。
実際に五感を通して触れながら、
答えを見つける場所ではなく、
「疑問が見つかる場所(探求)」として
アトリエ活動における
多くの環境のヒントを得ました。

子どもたちの探求は幼少期に留まらず、
「誰が」「誰のために」という想いを起点に、
小学校とも連携しています。
発見や気づき、対話を多角的に捉えられる環境は、
大人と子どもの思考の距離を可視化し、
その面白さを感じさせてくれます。

レッジョ・エミリアの保育所施設で、
子どもたちに「日本の文化を体験してもらう」
ことを目的に、私たち日本チームは
【とんぼ】を中心とした
日本の虫をテーマに交流を行いました。
子どもたちの感受性や創造性に触れる中で、
大人が想像する以上に
自由な発想で、さまざまな遊び方を
自ら広げていく姿に感銘を受けました。
また、環境や素材(道具)が、
子どもたちの可能性を最大限に
引き出す力を持つことを実感しました。

レッジョナラでは、イタリア各地から集まった
アーティストによるおとぎ話や演劇ショー、
ワークショップを通じ、物語の力に触れる
魔法のような体験ができます。
プロの語り手や劇団員、親たちが
ストーリー・テラーとなり、
町の各所を活気づけます。
その中で、アイデアと学びが交差する空間に参加し、
多くのインスピレーションを得ました。

レミダは、工業廃材や再利用可能な素材を
教育活動に活用する施設です。
子どもたちはこれらの素材を使い、自由な
創作活動を通じて想像力を育んでいます。

レミダ自体が学びの場であり、
子どもたちはこの環境の中で
素材に触れ、考え、想像力を膨らませています。

出会いと体験にあふれた研修プログラムを通じ、
冒険を共に楽しむ仲間に恵まれ、
特別な時間を過ごすことができました。
対話を重ねる中で、
「今、自分たちに何ができるのか」という
夢を語り合う貴重な機会にもなり、そして、
今も大切な財産である「人」との出会いは、
かけがえのない経験となりました。

5日間にわたる素晴らしい体験を、
そのまま園に持ち帰り、
子どもたちに語り継いでいきます。
この経験が、新たな学びや感動を生む
きっかけとなることを願っています。

レミダで得られるインスピレーションをもとに
設置されたのが、大きなアトリエ「イハナ」。
環境や素材を通じて、子どもたちの
創造性や構築力が育まれていきます。
